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顔認証による入退室管理システムとは?メリットやデメリットと選び方を徹底解説

  • 6月30日
  • 読了時間: 21分

更新日:12 分前

顔認証 入退室管理


近年、顔認証による入退室管理システムは、企業のセキュリティ強化や業務効率化を目的に導入が進んでいます。物理鍵やICカードによる管理では、紛失や貸し借りによる不正利用、カード管理の負担といった課題がありました。一方、顔認証は本人確認を自動で行えるため、高いセキュリティと利便性を両立できます。

さらに、勤怠管理システムとの連携により、管理業務の効率化やDX推進にも役立ちます。

本記事では、顔認証による入退室管理システムの仕組みをはじめ、導入メリット・デメリット、選び方のポイントをわかりやすく解説します。導入を検討している企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。



顔認証による入退室管理システムとは


顔認証による入退室管理システムの解説図。顔検出・照合・認証・記録の流れと、カード認証や暗証番号との比較を示す。

顔認証を用いた入退室管理システムとは、あらかじめシステムに登録された個人の顔画像データと、出入り口に設置されたカメラが捉えた人物の顔画像を照合し、本人であることを確認した上でドアの解錠や入退室の記録を行う仕組みのことです。このシステムは、人間の顔の輪郭や目、鼻、口などの特徴点の配置を立体的に分析し、独自のアルゴリズムを用いて高い精度で個人を特定します。近年の顔認証技術は目覚ましい進化を遂げており、双子を識別できるほどの高度な認識能力を持つシステムも登場しています。顔認証による入退室管理は、従来の物理的な鍵やカードに依存しないため、セキュリティの向上と利便性の両立を実現する革新的なソリューションとして多くの企業で採用が進んでいます。


顔認証システムの基本的な仕組み


顔認証システムの基本的な仕組みは、大きく分けて顔の検出、特徴の抽出、そして照合という三つのステップで構成されています。まず、入退室管理の対象となるドアの前に人物が立つと、設置された専用のカメラが自動的に人物の顔を検出します。この際、周囲の明るさやカメラの角度に影響されにくいように、赤外線センサーなどを併用して顔の立体的な形状を正確に捉える技術が多くのシステムで採用されています。次に、検出された顔画像から、目尻の位置や鼻の高さ、骨格の形状といった個人を特定するための特徴データを抽出します。最後に、抽出された特徴データと、事前にデータベースに登録されている従業員の顔データとを高速で照合します。この照合プロセスは通常わずか数秒、あるいはそれ以下の瞬時に完了し、一致率があらかじめ設定された基準値を超えた場合にのみ本人として認証され、電気錠と連動してドアが解錠されるという流れになります。このような一連の処理がネットワークを通じてリアルタイムで行われるため、スムーズでストレスのない入退室が実現されます。


従来の入退室管理システムとの違い


従来の入退室管理システムにおいて主流であったICカードや暗証番号を用いた方式と、顔認証を用いた入退室管理システムとの最大の違いは、認証に使用する媒体が物理的なモノや記憶であるか、あるいは人間自身の生体情報であるかという点にあります。ICカード方式の場合、カードをリーダーにかざすだけで入室できる手軽さがある一方で、カードを自宅に忘れて出社してしまった場合に入室できなくなるという不便さや、万が一カードを紛失したり盗難に遭ったりした場合には、悪意のある第三者が容易に施設内に侵入できてしまうという重大なセキュリティリスクが存在します。また、暗証番号方式の場合も、番号を忘れてしまうリスクや、入力している様子を背後から盗み見られて番号が流出してしまうリスクが伴います。さらに、これらの従来方式では、正規の権限を持つ従業員が自身のICカードや暗証番号を他人に貸与して入室させるなりすましをシステム上で防ぐことが非常に困難です。これに対して顔認証方式は、個人の身体的特徴そのものを鍵として利用するため、紛失や盗難のリスクが物理的に存在せず、なりすましによる不正入室を極めて高い確率で排除することができます。これにより、従来のシステムが抱えていた脆弱性を根本から解決し、より強固で確実なセキュリティ環境を構築することが可能となります。運用面においても大きな違いがあります。従来のシステムでは、従業員の入退社や部署異動のたびに物理的なカードの発行や権限の変更設定を手作業で行う必要があり、管理部門にとって非常に大きな負担となっていました。しかし、顔認証による入退室管理システムであれば、クラウド上の管理画面から顔画像データとアクセス権限を登録または削除するだけで全ての手続きが完了します。物理的な媒体の受け渡しが発生しないため、リモートワークが普及した現代の多様な働き方にも柔軟に対応できるという点も、顔認証システムならではの大きな特徴と言えます。


比較項目

顔認証方式

ICカード方式

暗証番号方式

セキュリティレベル

極めて高い

中程度(紛失や盗難リスクあり)

低から中(漏洩リスクあり)

なりすまし防止

可能

困難(貸し借りが可能)

困難(共有が可能)

紛失や忘却リスク

なし

あり(カードの紛失や忘れ)

あり(番号の度忘れ)

管理にかかる手間

少ない(初期登録のみ)

多い(発行や回収や再発行)

中程度(定期的な変更推奨)



顔認証入退室管理システムを導入するメリット


顔認証入退室管理システムの説明図。スマホ端末と人物の顔認証、なりすまし防止、非接触入退室、勤怠連携を4項目で紹介。

顔認証による入退室管理システムを導入することは、企業に対してセキュリティの強化から業務の効率化まで、多岐にわたるメリットをもたらします。最新のテクノロジーを活用したシステムは、単にドアの鍵を開け閉めするだけの役割を超え、企業全体のデジタルトランスフォーメーションを推進するための重要な基盤として機能します。顔認証技術の進歩により、これまでは導入が難しかった環境でも手軽に利用できるようになっており、その費用対効果の高さから多くの企業が既存システムからのリプレイスを進めています。ここでは、企業が顔認証による入退室管理システムを導入することによって得られる具体的な四つのメリットについて、詳細に解説していきます。


なりすましや不正入室を強力に防止


顔認証を用いた入退室管理システムを導入する最大のメリットは、なりすましや第三者による不正入室を強力に防止できる点にあります。従来のICカードや物理的な鍵を用いたシステムでは、権限を持つ従業員が自身の鍵を他人に貸し出すことで、誰でも簡単に制限区域に侵入することができてしまいました。しかし、顔認証システムでは、入室しようとしている人物の顔そのものをリアルタイムで確認するため、システムに登録されていない人物が他人のふりをして入室することは物理的に不可能です。さらに、最新のシステムでは、写真やスマートフォンに映した顔画像を使った偽装を見破るための生体検知技術が搭載されていることが多く、より高度なセキュリティが担保されています。これにより、企業の機密情報や重要な資産を保管しているサーバールームや役員室、あるいは個人情報を大量に取り扱うコールセンターなど、極めて厳格な入退室管理が求められる場所においても、確実なアクセス制御を実現することができます。顔認証による入退室管理は、内部不正の抑止力としても非常に高い効果を発揮します。


媒体の紛失リスクや管理の手間を削減


二つ目のメリットは、物理的な認証媒体の紛失リスクがゼロになることと、それに伴う管理部門の業務負担が大幅に削減されることです。ICカードを用いたシステムを運用している企業では、従業員がカードを紛失するたびに、セキュリティ上の理由から即座に該当カードの利用停止手続きを行い、新しいカードを発行し直すという煩雑な作業が発生します。また、新入社員の入社時や退職者の発生時にも、カードの発行や回収、在庫管理といった物理的な作業が不可欠です。顔認証による入退室管理システムであれば、従業員の顔画像を一度システムに登録するだけで認証キーとして機能するため、物理的なカードの発行や回収といった作業が一切不要になります。従業員はカードを持ち歩く必要がなくなり、紛失の心配から解放されると同時に、管理部門にとっても入退社に伴う手続きがデータベース上のデータの追加や削除のみで完結するため、業務効率が劇的に向上します。これは、管理コストの削減にも直結する重要なメリットです。


非接触による衛生的な入退室を実現


三つ目のメリットは、システムに触れることなく非接触で入退室が可能となり、衛生的な環境を維持できる点です。近年、感染症対策の重要性が社会全体で高まる中、多くの人が日常的に手で触れるドアノブや指紋認証リーダー、暗証番号の入力パッドなどは、接触感染のリスク要因として懸念されるようになりました。顔認証による入退室管理システムであれば、カメラの前に立つだけで瞬時に認証が完了し、自動ドアと連動させることで完全に手ぶらで、かつどこにも触れることなく入室することが可能になります。この非接触という特徴は、オフィスビルだけでなく、厳密な衛生管理が求められる食品工場や医薬品の製造現場、あるいは医療機関や介護施設などにおいて、極めて大きな価値を提供します。従業員や来訪者に安心感を与え、クリーンな環境を保つための有効な手段として、顔認証システムの導入が積極的に進められています。また、荷物で両手が塞がっている場合でもスムーズに入室できるため、日常的な利便性も大きく向上します。


勤怠管理システムとのスムーズな連携


四つ目のメリットは、顔認証システムを入退室の記録だけでなく、勤怠管理システムと連携させることで、正確で効率的な労働時間の把握が可能になる点です。多くの顔認証入退室管理システムは、認証を行った正確な時刻と人物のデータをログとして記録し、外部のシステムへデータを出力する機能を備えています。この機能を活用し、従業員がオフィスに入室した時刻を出勤時間、退室した時刻を退勤時間として勤怠管理システムに自動的に連携させることで、タイムカードの打刻漏れや、他人に打刻を依頼する不正打刻を完全に防ぐことができます。また、従業員が自ら労働時間を入力する手間が省けるだけでなく、人事や総務部門にとっても、月末の勤怠データの集計や確認作業にかかる時間が大幅に短縮されます。正確な労働時間の把握は、企業が従業員の長時間労働を是正し、適切な労務管理を行う上でも非常に重要な要素となります。顔認証による入退室管理は、働き方改革を推進するための強力なツールとして機能します。


対象部門

主なメリットの内容

期待される効果

経営層

セキュリティレベルの劇的な向上

企業リスクの低減と信頼性向上

総務や管理部門

物理カードの発行や回収や在庫管理の不要化

管理業務の大幅な負担軽減

人事部門

勤怠システム連携による正確な労働時間の把握

不正打刻の防止と労務管理の適正化

一般従業員

手ぶらでの入退室と紛失リスクの解消

利便性の向上とストレス軽減



顔認証入退室管理システムを導入するデメリットと注意点


顔認証入退室管理システムのデメリットと注意点を解説する日本語インフォグラフィック。初期費用、環境・マスクで精度変動、プライバシー配慮を示す。

顔認証システムは多くのメリットをもたらす一方で、導入にあたって事前に理解し、対策を講じておくべきデメリットや注意点も存在します。新しいテクノロジーを社内に定着させ、期待通りの効果を得るためには、これらの懸念事項に対して適切なアプローチを行うことが不可欠です。顔認証による入退室管理システムは魔法の杖ではなく、運用環境や社内のルール整備が伴って初めて真価を発揮します。ここでは、企業が顔認証による入退室管理システムを検討する際に注意すべき三つのポイントについて詳しく解説します。



初期費用やランニングコストの発生


顔認証入退室管理システムを導入する際の最大の障壁となるのが、導入にかかるコストの問題です。顔認証システムは、高精度なカメラを備えた専用の認証端末や、データを処理して保存するためのサーバー、そしてそれらを制御するソフトウェアなど、高度な機器とシステム構成を必要とします。そのため、従来のICカードリーダーを設置するだけのシステムと比較すると、機器の購入費用や設置工事費用といった初期導入コストが相対的に高額になる傾向があります。さらに、クラウド型のシステムを採用した場合には、顔データの保存やシステムの保守やアップデートに対する月額の利用料といったランニングコストが継続的に発生します。企業は導入を決定する前に、現在の入退室管理にかかっている運用コストや、カードの再発行費用、管理部門の人件費などを総合的に算出し、顔認証システムを導入することによる業務効率化のメリットとコストを慎重に比較検討し、長期的な視点での費用対効果を見極める必要があります。


設置環境やマスク着用による認証精度の変動


二つ目の注意点は、カメラの設置環境や利用者の状態によって、顔認証の精度が変動する可能性がある点です。顔認証技術は飛躍的に進歩しているものの、光学的なカメラを用いて画像を解析するという特性上、周囲の光の環境に影響を受けやすいという弱点があります。例えば、直射日光が強く差し込む窓際や、極端に暗い廊下、あるいは背後から強い光が当たる逆光の環境下では、カメラが顔の特徴を正確に捉えきれず、認証に失敗したり、認証までに時間がかかったりするケースがあります。また、利用者がマスクや色の濃いサングラス、深めの帽子を着用している場合も、顔の露出面積が減少するため、認証精度が低下する要因となります。これらの問題を回避するためには、導入前に実際の設置予定場所でテスト運用を行い、照明環境を調整したり、マスク着用時でも高い精度で認証できる最新のアルゴリズムを搭載した顔認証入退室管理システムを選定したりするなどの対策が求められます。


生体情報を取り扱うためのプライバシー配慮


三つ目の非常に重要な注意点は、従業員の顔画像という究極の個人情報を取り扱うことに対する、プライバシーへの厳格な配慮です。顔画像は個人を特定できる機微な情報であり、万が一外部に流出した場合、パスワードのように簡単に変更することができないため、極めて深刻な被害をもたらす危険性があります。個人情報保護委員会が定める個人情報の保護に関する法律についてのガイドラインにおいても、生体情報の取り扱いには厳格な安全管理措置が求められています。企業が顔認証による入退室管理システムを導入する際には、顔画像データがどのように暗号化されて保存されるのか、外部からの不正アクセスに対するセキュリティ対策が十分に施されているかといった、システム自体の安全性を徹底的に確認する必要があります。さらに、システム的な対策だけでなく、社内規定を整備し、従業員に対して顔データを取得する目的や利用範囲、保存期間などを明確に説明し、十分な理解と同意を得るプロセスが不可欠です。


注意点やデメリット

具体的な課題

導入時の対策案

コストの発生

初期費用や月額利用料が高い

業務効率化による削減コストとの費用対効果を長期的に検証する

認証精度の変動

逆光や暗所やマスク着用による認証エラー

設置場所の照明環境を調整し、マスク対応の高性能システムを選ぶ

プライバシー問題

生体情報の漏洩リスクと従業員の抵抗感

強固なセキュリティを持つシステムを選び、利用目的を説明し同意を得る



自社に最適な顔認証入退室管理システムの選び方


顔認証入退室管理システムの選び方を解説する日本語インフォグラフィック。精度・連携性・サポート比較、女性の顔認証端末利用やヘルプデスク、青白基調の図解と「まとめ」表示。

市場には様々なメーカーから多種多様な顔認証入退室管理システムが提供されており、それぞれに特徴や強みがあります。自社の環境や運用目的に合致しないシステムを選んでしまうと、期待した効果が得られないばかりか、かえって業務の妨げになる可能性もあります。顔認証による入退室管理システムは一度導入すると長期間にわたって利用するインフラとなるため、慎重な選定が求められます。ここでは、数ある選択肢の中から自社に最適な顔認証システムを見極めるための、三つの重要な比較ポイントについて解説します。


認証の精度とスピードを確認する


システムを選ぶ上で最も重視すべき基本性能は、顔認証の精度とスピードです。どれほど多機能なシステムであっても、肝心の認証精度が低ければ、本人であるにもかかわらずドアが開かないというエラーが頻発し、従業員に大きなストレスを与えてしまいます。逆に、他人を誤って認証してしまう確率が高いシステムでは、本来の目的であるセキュリティ機能が全く果たせません。また、認証スピードも実運用において極めて重要な要素です。出社時間帯や昼休みなど、多くの従業員が一斉に出入りする時間帯において、一人あたりの認証に数秒の時間がかかってしまうと、ドアの前に長蛇の列ができ、業務の開始に遅れが生じる原因となります。システムを選定する際には、カタログスペックだけでなく、実際にマスクを着用した状態や、歩きながらの認証に対応しているかを確認し、デモンストレーションを通じて実際の精度とスピードを体感することが重要です。


既存システムとの連携性を評価する


二つ目のポイントは、自社ですでに運用している既存のシステムとの連携性を評価することです。顔認証入退室管理システムを単独のツールとして利用するだけでなく、他の業務システムとデータを連携させることで、その価値はさらに高まります。特に、勤怠管理システムとの連携は多くの企業で求められる機能です。選定しようとしている顔認証システムが、現在利用しているクラウド型あるいはオンプレミス型の勤怠管理システムに対して、API連携やCSVファイルの自動出力などを通じてスムーズに打刻データを渡すことができるかを確認する必要があります。また、企業によっては、既存のICカードシステムと顔認証を併用して段階的に移行したい場合や、来客管理システム、さらにはオフィスの照明や空調を制御するビル管理システムと連動させたいというニーズもあります。自社の将来的なシステム構想を見据え、拡張性と連携性に優れたオープンな仕様を持つシステムを選ぶことが推奨されます。



導入後のサポート体制を比較する



三つ目のポイントは、ベンダーやメーカーが提供する導入後のサポート体制の充実度です。顔認証による入退室管理システムは、ネットワーク機器やカメラ、電気錠、そしてソフトウェアが複雑に連動して稼働するシステムであるため、運用中に予期せぬトラブルや障害が発生する可能性を完全に排除することはできません。万が一、システムの不具合によってドアが開かなくなり、従業員がオフィスに入室できない事態となれば、企業の事業活動そのものが停止してしまう重大なリスクとなります。そのため、トラブル発生時に迅速に対応してくれるサポート窓口が用意されているか、遠隔でのシステム監視や復旧支援を行ってくれるか、あるいは必要に応じて専門の技術者が現場に駆けつけてくれる保守サービスが提供されているかを事前に確認することが不可欠です。また、システムのソフトウェアが定期的にアップデートされ、最新のセキュリティ脅威に対応できる体制が整っているかどうかも、長期的に安全な運用を続けるための重要な比較要素となります。


比較ポイント

確認すべき具体的な項目

評価の基準

精度とスピード

マスク着用時の認証可否やウォークスルー対応や認証にかかる秒数

エラーが少なく立ち止まらずにスムーズな入室が可能か

システム連携性

勤怠管理システムとのAPI連携や既存ICカードとの併用可否

自社の既存業務システムとシームレスにデータ連携できるか

サポート体制

障害時の対応スピードや駆けつけ保守の有無やソフトウェアの更新頻度

万が一のトラブル時にも業務を止めない迅速な支援があるか



顔認証入退室管理システムの主な活用シーン


顔認証入退室管理システムの活用例を示す日本語インフォグラフィック。オフィス、研究所、医療機関での入退室管理、顔認証端末やPC画面、各種説明文が並ぶ。

顔認証による入退室管理システムは、その高いセキュリティ性能と利便性から、業種や規模を問わず様々な環境で導入が進んでいます。従来の物理鍵やカードでは解決できなかった特有の課題を持つ現場において、顔認証技術は非常に有効な解決策を提供しています。ここでは、顔認証システムが特に効果を発揮し、具体的な課題解決に貢献している代表的な三つの活用シーンについて紹介します。これらの事例を参考に、自社における具体的な活用イメージを膨らませてみてください。


セキュリティが求められるオフィスビル


一般的なオフィスビルにおいて、顔認証入退室管理システムは従業員の安全と企業の機密情報を守るための第一線として機能しています。例えば、日本電気株式会社をはじめとする多くの先進的な企業の自社オフィスにおける導入事例では、数千人規模の従業員がスムーズに入退室できる環境を構築し、セキュリティと利便性の両立を実証しています。多数のテナントが入居する大規模なオフィスビルでは、不特定多数の人物が建物内に出入りするため、部外者の侵入を防ぐことが重要な課題となります。エントランスのセキュリティゲートに顔認証システムを導入することで、事前に登録されたテナント企業の従業員のみをスムーズに通過させ、不審者の侵入を水際で阻止することができます。また、執務室内の特定のエリア、例えば個人情報を取り扱う人事部門や、新製品の開発を行う研究部門などの扉に顔認証を設置することで、社内におけるアクセス権限を厳格に管理することが可能になります。これにより、内部不正のリスクを大幅に低減し、企業のコンプライアンス強化に寄与します。


厳格な入退室管理が必要な工場や研究所


製造業の工場や、高度な技術を扱う研究所においても、顔認証による入退室管理システムは不可欠なインフラとなりつつあります。これらの施設では、危険物の取り扱いや、企業秘密である独自の製造プロセス、未発表の新製品情報などを保護するために、特定の資格や許可を持つ従業員のみが特定のエリアに立ち入れるよう、厳密な動線管理が求められます。顔認証システムを用いることで、エリアごとに異なるアクセス権限を柔軟に設定し、誰が、いつ、どのエリアに入室したのかという正確な履歴を自動的に記録することができます。また、工場などの現場では、従業員が作業着や防塵服を着用し、両手が荷物や工具で塞がっているケースも少なくありません。このような状況において、ICカードを取り出す手間がなく、顔を向けるだけでドアが開く顔認証システムは、作業効率を落とすことなく高いセキュリティを維持できる最適なソリューションとなります。


衛生管理が最優先される医療機関


病院やクリニック、介護施設といった医療や福祉の現場では、感染症の拡大を防ぐための徹底した衛生管理が最優先事項となります。これらの施設において、多くの人が触れるドアノブやテンキーの操作は、接触感染のリスクを高める要因となります。顔認証を用いた入退室管理システムを導入し、自動ドアと連動させることで、医師や看護師などのスタッフは、どこにも触れることなく完全に非接触で手術室や薬剤保管室、スタッフステーションなどに入室することが可能になります。これにより、手洗いや消毒を行った後の清潔な状態を保ったままスムーズに移動することができ、院内感染のリスクを大幅に低減することができます。また、医療現場では緊急を要する事態が頻繁に発生しますが、顔認証であれば鍵を探したり暗証番号を入力したりするタイムロスがなく、瞬時に必要なエリアにアクセスできるため、迅速な医療活動の支援にも直接的につながります。


業種や施設

主な導入場所

期待される導入効果

オフィスビル

エントランスやサーバルームや役員室

部外者の侵入防止や内部不正の抑止や利便性向上

工場や研究所

製造ライン入り口や危険物保管庫

厳格なアクセス権限管理や両手が塞がった状態での入室

医療機関

手術室や薬剤保管室やスタッフステーション

非接触による院内感染防止や緊急時の迅速なアクセス



顔認証入退室管理システムのまとめ

記事のまとめ:顔認証を用いた入退室管理システムの全容


近年、AI技術やディープラーニングの進化に伴い、セキュリティ強化と業務効率化を両立する「顔認証入退室管理システム」が次世代の標準として急速に普及しています。物理鍵やICカードが抱えていた脆弱性を根本から解決し、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を後押しする重要な施策として注目を集めています。


顔認証入退室管理システムのまとめ。オフィスで女性が顔認証端末に向かい、導入メリット・注意点・活用先を青基調で紹介する図。

本記事の重要ポイント


本記事で解説した主要なポイントを整理しました。自社へのシステム導入を検討する際の判断材料としてご活用ください。


導入のメリットと注意点


項目

重要な要素

主なメリット

なりすましや不正入室の防止、紛失リスクと管理手間の削減、非接触による衛生的な入退室、勤怠システム連携による適正な労務管理

懸念されるデメリット

機器やサーバー導入に伴う初期費用と月額コスト、光の環境やマスク着用による認証精度の変動、生体情報取得に対するプライバシーへの配慮


自社に最適なシステムを選ぶための基準


・認証の精度とスピード:マスク着用時や歩行中(ウォークスルー)でも滞りなくスムーズに認証・解錠できるかを実機で確認する。


・既存システムとの連携性:現在利用中の勤怠管理システム(APIやCSV連携)や、既存のICカード設備とシームレスに連動できるかを評価する。


・サポート体制の充実度:万が一のシステム障害でドアが開かなくなった際の対応スピードや、駆けつけ保守サービスの有無を事前に把握する。


代表的な活用シーン


オフィスビル: 不特定多数が出入りするエントランスでの部外者排除や、サーバールームなど重要区画での厳密な権限管理。


工場や研究所: 企業秘密を扱うエリアでのアクセス履歴の記録や、荷物・工具で両手が塞がっている状態での手ぶら入室。


医療機関や介護施設: ドアノブやテンキーに触れないことによる接触感染リスクの低減と、緊急時の迅速な移動。


顔認証入退室管理システムは、単なる「鍵の代替」にとどまらず、従業員の利便性向上やバックオフィス業務の劇的な改善をもたらします。自社の課題や予算、設置環境を総合的に検討し、最適なセキュリティ環境の構築に向けた第一歩を踏み出してください。



FACYの電気錠・入退室管理の問い合わせ案内ページ。顔認証端末、テンキー錠、ICカード、管理ソフトの画像と電話番号が表示されている。

「どこから手をつけるべきか整理したい」という段階のご相談も歓迎です。上のバナー、またはお電話(0120-672-575、受付時間 9:00~20:00)からお気軽にご連絡ください。

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