【最新盗難手口での初の逮捕者】
2021年8月31日、兵庫、埼玉、千葉の3県警がCANインベーダーによる窃盗の疑いで男5人を逮捕や書類送検するなどしたことを発表しました。
これはCANインベーダー盗難の初となる逮捕者で犯人からは犯行で使用したとみられる特殊機器が押収されたといいます。その機械の画像も公開されており、形状はモバイルバッテリーそのもの。一見盗難に用いるものだとは気づけないほどでした。
被害に遭ったのはレクサス車85台やトヨタ アルファード25台、トラック車種など計195台で、先程狙われやすい車種として紹介した高級車が多くを占めています。また、車両以外に部品や空き巣なども含めると、被害総額は約10億3千万円に上るとのことです。
【被害に遭いやすい車種】
日本損害保険協会が行っている「自動車盗難事故実態調査」では、毎年盗難被害に遭いやすい車種のデータを公表しており、2020年の2月時点でのランキングでは海外で人気の車種が上位を占めています。
特に海外でのネームバリューが最も強いトヨタは上位を独占しており、レクサスやプリウス、ランドクルーザーにアルファードといった車種は非常に被害に遭いやすい傾向です。
ちなみに、車両本体が盗難された158事案のうち、後になって発見された件数は38件のみと、わずか24%しか発見されないそうです。
【狙われやすいのは夜間の屋外駐車場】
盗難の発生時間帯は「深夜から朝(22時~9時)」が最も多く66.5%となり、盗難に遭いやすい環境としては契約駐車場(屋外)が40.5%で自宅駐車場(屋外)が37.7%、合わせると屋外での被害件数が77.8%と圧倒的に屋外での車両が狙われやすい状況となっています。
実際、以下の特徴のある屋外駐車場が狙われやすいと言われています。
・フェンスやゲートがなく、簡単に侵入できる
・夜間の見通しが悪い
・車を長期間放置しているので分かりやすい
【CANインベーダーとは】
以前の自動車盗難の手口はスマートキー車両の盗難手法として、これまでは「リレーアタック」というものが主流でした。しかし、近年はより悪質な「コードグラバー」という手口が台頭。後者はまだまだ知名度が低く、これから更に被害が増加していくと考えられます。
しかし、コードグラバーの認知が徐々に増加してきた矢先、CANインベーダーといった新たな手法が登場したのです。
CANインベーダーとは車のいたるところに通っている「CAN信号」という配線を経由して車両のシステムに侵入し、解錠やエンジン始動などを行う手法です。
これまでのリレーアタックやコードグラバーは盗難する車両のスマートキーが発する電波を利用するといった手法と異なり、CANインベーダーはスマートキーの電波を利用せず、自動車のシステムに直接侵入するのです。そのため、完全なる対策方法がないのです。
だからこそ、防犯カメラやGPS追跡装置などで更なる対策を講じていると思いますが、正直それらの対策はあくまでも盗難被害に遭ってからでしか意味をなしません。
【被害に遭わない為の防犯対策】
進化する盗難手口から大切な車両を守るには、泥棒自体をそもそも車両に近づけないようにするしかありません。
駐車スペースを赤外線センサーで守る
大切な車両を泥棒の魔の手から防ぐには、勝手に車両へ近づこうとする人物を素早く検知し、車両に触れさせなければいいのです。
そして、ただ検知するだけでなく、同時に赤色灯やライトなどの音や光を駆使し緊急事態を近隣周辺に知らせるのです。
また、オーナーには緊急事態を知らせる通知が携帯電話に届くため、いち早く対処することも可能となります。
単純なことかもしれませんが、泥棒は犯行に及ぶ前に目立つことを極端に嫌います。
実際これまでに多くの盗難被害から大切な車両を守ってきたからこそ、これ以上ない対策となるのです。
【盗難被害に遭ってからでなく想定することが大切】
コロナ禍で出入国が困難になっているせいもあってか、全国の自動車盗難の認知件数は2016年の1万1655件から、2020年には5210件へと大きく減少しています。ですが、海外を中心に未だ人気の衰えなメイドインジャパンの車両は、そして、このように盗難手口が日々進化するのは、窃盗団からしてみれば盗む“うまみ”があるからです。
明日は我が身ではありませんが、未だ被害が起きている自動車盗難には引き続き警戒し、相当の対策を講じることを考えておきましょう。
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