静脈認証の入退室管理ガイド|仕組み・費用・導入のコツを解説
4 日前
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「ICカードの貸し借りがなくならない」「サーバールームや薬品庫に誰が入ったのか、はっきりさせたい」。IPA(情報処理推進機構)の「情報セキュリティ10大脅威 2026」でも、内部不正による情報漏えいが組織編の7位に入っています。こうした課題の解決策として、選択肢に挙がるのが生体認証による入退室管理です。
なかでも静脈認証は、なりすましに強い方式として注目されています。一方で「顔認証と何が違うのか」「費用は」「従業員の生体情報を扱って大丈夫か」と迷う方も多いはずです。
この記事で分かること
静脈認証の仕組みと、カード・顔認証との違い
業種・場所別の向き不向きと、費用の目安
導入後に失敗しないための運用と注意点
結論を先に
静脈認証は体の内側の情報を読むため、偽造やなりすましがしにくい方式です。
全部の扉に付ける必要はありません。**サーバールーム・薬品庫・金庫室など「入れる人を絞りたい場所」**から導入するのが効率的です。
認証が強くても、**共連れ(他人の後ろについて入ること)**は防げません。カメラや扉の仕組みとの組み合わせが必要です。
退職者の登録削除、停電時の解錠方法など、運用ルールを先に決めることが成功のポイントです。
静脈認証による入退室管理の仕組みと、選ばれる理由

静脈認証は、指や手のひらに近赤外線(目に見えない光)を当て、血液中の成分が光を吸収することで浮かび上がる静脈の模様を読み取る仕組みです。主に「指静脈」と「手のひら静脈」の2種類があります。
選ばれる理由
偽造されにくい:静脈は体の内側にあり、外から見たり写真に撮ったりしにくい情報です。
貸し借りできない:カードや暗証番号と違い、本人がその場にいないと認証できません。
肌の表面の影響を受けにくい:指紋に比べ、乾燥や手荒れ、汚れの影響を受けにくいとされています。
なりすましを防ぐ考え方は「何を知っているか(暗証番号)」「何を持っているか(カード)」「本人の体の特徴(生体)」の3つに分けられます。前の2つは盗み見や紛失で第三者に渡るおそれがありますが、生体は本人と切り離しにくいのが強みです。
なお、生体認証にも偽物を使った攻撃の研究があり、多くの製品には生体検知(本物の生体かを確かめる機能)が組み込まれています。導入時には、その有無もメーカーや施工会社に確認しておくと安心です。
顔認証・カードとの比較|場所・業種別の選び方

方式 | なりすまし対策 | 使いやすさ | 向いている場所 |
ICカード・暗証番号 | △ 貸し借り・盗み見のおそれ | ◎ 速い・安い | 一般執務室、通用口 |
顔認証 | ○ 手ぶらで通れる | ◎ 立ち止まらずに通れる機種も | 出入口、人の多いゲート |
静脈認証 | ◎ 偽造されにくい | ○ 手をかざす動作が必要 | サーバールーム、薬品庫、金庫室 |
ケース別の考え方
オフィス・事務所:正面玄関は顔認証かカード、サーバールームや機密書類の保管庫だけ静脈認証にする組み合わせが現実的です。
病院・介護施設:薬剤室や個人情報を扱う記録室に向きます。手のひら静脈は触れずに認証できる機種もあり、衛生面を重視する場所に向いています。
食品工場・研究所:手袋を外す必要がある点に注意が必要です。作業エリアの入口ではなく、手袋を着ける前の更衣室の出入口に設置するなど、動線から位置を決めます。
個人オーナー・小規模事業者:自宅兼事務所の金庫室や、シェアオフィスの個室など、1〜2か所の重要な扉に絞ると費用を抑えられます。
最近は、顔認証と静脈認証を組み合わせる多要素認証や、管理画面をインターネット経由で使えるクラウド型入退室管理も広がっています。拠点が複数ある企業では、本社から全拠点の登録・削除をまとめて行える点がメリットです。
静脈認証の入退室管理にかかる費用の目安

入退室管理の費用は、主に次の3つで構成されます。
認証装置:静脈を読み取るリーダー
電気錠:電気信号で施錠・解錠する錠前。既存の扉に取り付けられるかで工事内容が変わります
制御装置・管理ソフト:誰がいつ入ったかを記録し、登録者を管理する仕組み
費用の目安【2026年10月時点・要確認】
内容 | 目安 |
扉1か所(リーダー+電気錠+制御装置、工事込み) | 約50万〜150万円【要確認】 |
クラウド型管理の月額 | 扉1か所あたり数千円〜【要確認】 |
扉の材質、配線の距離、既存のカード式システムと連携するかどうかで大きく変わります。2〜3か所の見積もりを取る際は、登録できる人数の上限と、将来の扉の追加費用も確認しておくと比較しやすくなります。
運用と注意点|共連れ防止と生体情報の扱い

よくある失敗
共連れで意味がなくなる:1人が認証すると、後ろの人も一緒に入れてしまいます。AIカメラで同時に通過した人数を検知する、入室記録のない人は退室できないアンチパスバック(入退の記録の整合性を確認する機能)を設定する、などの対策を組み合わせます。
退職者の登録が残っている:人事の手続きと入退室管理の登録削除を、同じチェックリストに入れておきます。
ケガで本人が入れない:指静脈は2本以上の指を登録しておく、カードとの併用を可能にしておくなど、予備の手段を決めておきます。
停電・火災時に扉が開かない:電気錠には、停電時に解錠される方式と施錠される方式があります。避難経路にあたる扉は、所轄の消防署や施工会社と事前に確認してください。
朝の出勤時に行列ができる:1台あたりの利用人数が多い出入口には不向きです。人数の多い場所は顔認証やカードと使い分けます。
入退室記録の保管
内部不正は発覚までに時間がかかることがあります。記録は社内規程や取引先の監査要件に合わせ、1年程度を目安に保管期間を決めると、後からの確認に対応しやすくなります。
従業員への周知と個人情報
静脈の模様を数値化したデータは、個人情報保護法の「個人識別符号」にあたります。利用目的(入退室管理のため)を明示し、登録時に説明と同意を得る、退職時にデータを削除する、といった運用を就業規則や社内規程に定めておくと安心です。
また、2026年7月に成立した改正個人情報保護法では、顔特徴データなどを想定した「特定生体個人情報」の規律が新設されました。対象の範囲や施行日は今後の政令等で定まるため、最新の情報を個人情報保護委員会の公表資料で確認し、個別の判断は弁護士などの専門家にご相談ください。
よくある質問
Q1. 全部の扉を静脈認証にすると、費用はどれくらいかかりますか? A. 扉の数に比例して費用が増えるため、すべてを静脈認証にするケースは多くありません。重要な部屋だけを静脈認証にし、その他はカードや顔認証にすると、費用と使いやすさのバランスを取りやすくなります。
Q2. 従業員から「生体情報を登録したくない」と言われたら? A. まず利用目的や管理方法を丁寧に説明します。それでも難しい場合に備え、カードなど代わりの手段を用意しておく方法があります。労務上の扱いは、社会保険労務士や弁護士へご確認ください。
Q3. 導入後、定期的に何をすればいいですか? A. 月1回程度、登録者一覧と在籍者の照合、入退室記録の確認、認証装置の汚れの清掃を行います。異常な時間帯の入室がないかを見る習慣が、内部不正の抑止につながります。
まとめ
静脈認証は、体の内側の情報を使うため偽造や貸し借りに強い方式です。
サーバールームや薬品庫など、入れる人を絞りたい場所から導入するのが効率的です。
顔認証やカードと組み合わせ、場所ごとに使い分けると費用と利便性のバランスが取れます。
共連れ対策、登録・削除のルール、停電時の扱いを導入前に決めておきます。
生体情報の取り扱いは、説明・同意・削除の手順を社内規程にしておきます。
建物や運用に合った方式は、無料の防犯診断で現地を確認したうえでご提案を受けることもできます。
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ピース株式会社では、AI顔認証をはじめ、指紋認証など幅広い入退室管理システムを取り扱っています。防犯設備士による無料の防犯診断・お見積りも実施しておりますので、導入をご検討の際はお気軽にご相談ください。















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